住宅ローンは40年で組むべき? ―返済期間を長くするメリット・デメリットを徹底解説―

住宅価格の上昇や物価高の影響から、住宅ローンを40年で組む人が増えています。
「返済期間を伸ばすのは不安…」
「老後まで住宅ローンが続くのでは?」

このような心配を抱く一方で、40年ローンは家計を安定させる有効な選択肢でもあります。

この記事では、住宅ローンの返済期間を40年にするメリット・デメリット、35年ローンとの比較、どんな人に向いているのかを解説します。


■ 住宅ローン「40年ローン」とは?

一般的な住宅ローンは返済期間35年が主流ですが、金融機関によっては返済期間を 40年まで延長 できます。

▼ 多くの銀行での条件

  • 完済時の年齢が80〜85歳以下

  • 40年ローンに対応している商品を選ぶ

  • 勤務状況・信用情報などの審査に通過すること

40年ローンは、特に20〜30代の若い世帯を中心に利用が増えています。


■ 住宅ローンを40年にするメリット


① 月々の返済額が大幅に下がる

返済期間を延ばすと、月々の返済額が確実に下がります。

例:3,000万円・金利1%の場合

返済期間 月々の返済額
35年ローン 約84,685円
40年ローン 約72,405円

毎月約12,000円も負担が軽くなる!

子育て世帯、共働き、将来の教育費を考えたい家庭にとって、月々の負担を減らせるのは非常に大きなメリットです。


② 資金に余裕を持ちながら暮らせる

月々の返済に余裕ができると、

  • 教育費

  • 車の買い替え

  • 貯金

  • 投資
    などに資金を回しやすくなります。

ローンに生活が圧迫されにくくなるのは40年ローンの強みです。


③ 若くして購入する人に向いている

20代~30代前半に住宅を購入する場合、40年ローンでも完済が現実的。
そのため、「早めにマイホームを手に入れたい」という人にとっては大きなメリットです。


■ 40年住宅ローンのデメリット


① 支払い総額が増える

返済期間が長くなるため、トータルの利息負担は確実に増えます。

▼ 3,000万円・金利1%の場合

返済期間 総返済額
35年 約3,558万円
40年 約3,646万円

→ 約90万円の差

長期間で見ると負担増になる点は理解しておく必要があります。


② 老後まで返済が続く可能性

40年ローンの場合、完済が60〜70代になる人も多いです。

✔ 定年後の収入減
✔ 年金生活での返済の重さ

を考えると、繰上げ返済資金計画が大事になります。


③ 売却時に残債が多く残るリスク

ローン残高の減り方が遅いため、
「売却したいのにローンがまだ多く残っている」
というケースも発生します。

転勤・住み替えの可能性がある人は要注意。


■ どんな人に40年ローンがおすすめ?


✔ 20〜30代で早めにマイホームを買いたい人

返済期間が長くても、完済時年齢が現実的。

✔ 毎月の返済負担を減らして家計を安定させたい人

教育費・生活費が増える世帯に向いている。

✔ 将来の収入アップを見込める職業の人

若手会社員、公務員などキャリアが伸びる人は問題なし。

✔ 無理のない返済を最優先する人

住宅ローンの一番のリスクは「返済不能」。
無理のない返済は最も大事です。


■ 35年ローンと40年ローンどっちがいい?

月々の返済を軽くしたい → 40年ローン

総返済額を抑えたい → 35年ローン

ただし、40年ローンでも
途中で繰上げ返済すれば、実質35年以下に短縮できます。

「最初は40年 → 余裕ができたら繰上げ返済」
この方法が最も現実的で失敗しにくい選択です。


■ 40年ローンは上手に使えば強力な味方になる

✔ 月々の返済を下げて家計が安定
✔ 若い世帯に向いている
✔ 将来の繰上げ返済で総支払額も調整できる

40年ローンは「損」というイメージを持つ人もいますが、ライフプランに合わせて活用すれば賢い選択肢になります。