中古住宅の需要が高まる中で、購入後のトラブルを未然に防ぐために注目されているのが 「インスペクション(住宅診断)」 です。
特に、築20〜40年の住宅を購入する人や、売却前に物件の価値を正しく知りたい人にとって欠かせないチェック項目です。
本記事では、インスペクションとは何か・必要性・費用・メリット・いつ受けるべきか を徹底解説します。
■ インスペクション(住宅診断)とは?
インスペクションとは、国土交通省が推奨する 建物の専門的な健康診断 のこと。
建築士などの有資格者が、建物の劣化状況や不具合の有無をチェックし、修繕が必要な箇所を明確にする調査です。
▼ インスペクションでチェックする主な項目
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基礎のひび割れ
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外壁・屋根の劣化
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小屋裏・床下の状態
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雨漏りの可能性
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給排水管の不具合
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建物の傾き
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シロアリ被害の有無
中古住宅では見えない部分の劣化が後々大きな修繕費につながるため、プロの目で確認することが非常に重要です。
■ 住宅購入でインスペクションが必要な理由
中古住宅購入者がインスペクションを行う最大の理由は、後から発見されるトラブルを避けるためです。
① 見えない劣化を事前に把握できる
中古住宅は外観では判断できない部分に不具合があるケースが多く、
・雨漏り
・シロアリ被害
・基礎のひび割れ
・配管の腐食
などは一般人では気づきにくいポイント。
インスペクションにより、購入前にリスクが“見える化”されます。
② 修繕費を計画的に見積もれる
インスペクション結果によって
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どこを
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いつ
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どのくらいの費用で
直す必要があるのかが明確になります。
そのため、住宅ローンと同時にリフォーム費用を見込んだ資金計画が立てやすいというメリットがあります。
③ 価格交渉や購入判断の材料になる
もしインスペクションで不具合が見つかった場合、
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価格交渉
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引き渡し前の補修依頼
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他物件への切り替え
といった判断ができます。
購入者にとっては大きな安心材料です。
■ 売主にもメリットあり!売却前インスペクション
実は、売却前にインスペクションを実施する売主が増えています。
メリット
✔ 買主に安心材料を提供できる
✔ 物件の強み・弱点がわかり販売戦略に使える
✔ トラブルを防ぎ、売買成立までがスムーズ
✔ 契約不適合責任のリスク軽減
「見えない不具合リスク」を減らすため、売却前インスペクションは今後ますます一般化していきます。
■ インスペクションの費用相場
(一般的な戸建ての例)
| 内容 | 料金の目安 |
|---|---|
| 基本インスペクション | 5〜7万円 |
| 床下・小屋裏点検 | +1〜2万円 |
| シロアリ調査 | 1〜2万円 |
| 詳細診断(構造等) | 8〜15万円 |
※物件規模や業者により異なります。
■ インスペクションはいつ受けるのがベスト?
おすすめのタイミングは以下の2つ。
① 購入申し込み後〜契約前
契約後だと費用やトラブル対応が難しくなるため、
契約前にインスペクション結果を確認するのが理想です。
② 売却活動を始める前
売主側の場合は、
物件を売り出す前にインスペクションを行うと販売活動が有利になります。
■ インスペクションで後悔しない中古住宅選びができる
中古住宅は、新築と違い物件ごとに状態が異なります。
そのため、建築士によるインスペクションは、
“安心して中古住宅を選ぶための最強の保険” と言えます。
後から「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、
インスペクションの実施は非常に重要です。
■ まとめ:中古住宅こそインスペクションで安心を買う
✔ 中古住宅は見えない劣化が多い
✔ インスペクションでリスクを見える化できる
✔ 修繕計画・資金計画が立てやすい
✔ 売却側にもメリットが大きい
✔ 契約前に実施するのがベスト