中古住宅を購入してしばらくすると、突然「天井から水が…」「床が濡れている…」など、予期せぬ水漏れトラブルが起きることがあります。
特に築20〜40年以上の中古住宅では、給排水管や屋根、設備の老朽化によって水漏れリスクが高まります。
この記事では、中古住宅購入後に水漏れが起きたときの正しい対処手順、費用負担の考え方、よくある原因、予防策をわかりやすく解説します。
■ まずやるべきこと:緊急時の対処手順
【1】水の元栓を閉めて被害拡大を防ぐ
水漏れが激しい場合や給水管が原因と思われる場合は、宅内の 元栓(止水栓) を閉めて水を止めましょう。
【2】漏水箇所を写真・動画で記録する
後の修理費や売主・保険会社とのやり取りで証拠になります。
・濡れている部分
・水が垂れている様子
・周辺の状態
をしっかり記録します。
【3】管理会社・仲介会社・売主へ連絡
中古住宅購入後のトラブルで重要なのは
「いつ・誰に・何を連絡したか」 の記録。
契約不適合責任やアフターサービスの対象になる可能性があります。
【4】専門業者に応急処置・点検を依頼
水漏れは放置すると
・床材の腐食
・カビ
・シロアリ発生
に繋がるため、早期の診断が重要です。
■ 費用負担は誰?
中古住宅購入後の水漏れは、原因によって負担者が変わります。
【ケース1】売主の「契約不適合責任」が適用される場合
売買契約のときに売主が保証していた住宅の状態(給排水設備など)が実際と違った場合、
売主が修理費を負担 するケースがあります。
▼ 適用されるケース例
・雨漏りが以前からあったのに告知されていない
・給水管の破損が隠れた瑕疵だった
・売主が故障を知っていたのに黙っていた
ただし、期間(1〜3か月など)が決められているため、
早期の連絡が必須 です。
【ケース2】引き渡し後の経年劣化 → 買主負担
中古住宅の多くは、老朽化によりいつ不具合が出ても不思議ではありません。
▼ 買主負担となるのは?
・古い給水管が経年劣化で破損
・トイレや洗面台の設備寿命
・屋根材の老朽化による雨漏り
この場合は 自己負担で修理 となります。
【ケース3】火災保険で修理できる場合も
意外と知られていませんが、火災保険の
「水濡れ」「漏水」「水災」補償
で対応できるケースがあります。
▼ 適用例
・給排水設備の破損による漏水
・雨樋の破損による雨水侵入
・台風・強風で屋根が破損した場合
※経年劣化は対象外ですが、自然災害が原因なら保険適用の可能性があります。
■ 中古住宅の水漏れで多い原因ベスト5
① 屋根の老朽化・板金の破損
雪国の秋田市などでは、積雪によるダメージで屋根の劣化が早まりがち。
② 給水管・給湯管の経年劣化
築30年以上では鉄管の腐食が原因になることが多いです。
③ 排水管の詰まり・破損
油汚れ、木の根の侵入、排水桝の劣化など。
④ ベランダの防水シート劣化
マンションだけでなく戸建ても注意。
⑤ 風災・雪災による破損
台風・突風・大雪での被害は秋田でも多発。
■ 修理費の目安(相場)
| 修理内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 屋根の部分補修 | 3〜15万円 |
| 屋根全面工事 | 70〜150万円 |
| 給排水管交換 | 10〜50万円 |
| トイレ・洗面台の交換 | 5〜20万円 |
| 防水工事 | 10〜40万円 |
※状況により大きく変動します。
■ 将来の水漏れを防ぐためのチェックポイント
中古住宅購入後は以下を定期的に行うと安心です。
✔ 屋根・外壁の点検(2〜3年に1回)
✔ 給水管・排水管の老朽化チェック
✔ 排水桝の清掃
✔ 浴室・洗面所のコーキング確認
✔ 大雨・大雪の後は屋根を確認
✔ 雨漏りのサイン(シミ・カビ)を見逃さない
■ 中古住宅の水漏れは「早期対応」がすべて
水漏れは放置すると
・修理費が膨らむ
・家の劣化が進む
・カビ・健康被害
が発生します。
早期に専門家へ相談し、原因を特定して対処することが大切です。